甘いお菓子 |
今日はバレンタイン前日。
調理場にはリーザ、シャンテ、サニア、そしてククル。
リーザはエルクとモンスター達に。
シャンテはシュウに。
サニアは恐らくトッシュであろう。
そしてククルはアークに。
「パンディット達喜んでくれるかな♪」
「あら、エルクにはあげないの?」
「そんな事ないですよ。でもモンスター達が多いから先に作ってるんです」
「本命は後ね♪」
リーザは顔を真っ赤にした。
「シュウ、食べてくれるかしら?」
「大丈夫ですよ♪シャンテさんのを断るわけないですよ」
さすがはシャンテ。手馴れた手つきで形を整えていく。
「あら、おいしそうね」
「サニアのもおいしそうじゃない♪」
一方ククルはまだチョコを溶かしてる最中であった。
「ククルさん、もう25回目ですけど、大丈夫ですか?」
「ええ、これぐらい何ともないわ!まだチョコはこんなにあるしね!」
ククルの横には山積みされた大量のチョコがあった。
『『『そういう問題?』』』
三人とも同じ事を考えただろう。
「でも、何で普通に溶かしててチョコが爆発するのかしら?」
不思議に思うククルであった。
「「「・・・・・・・・・・・・・」」」
敢えて三人は何も言わなかった。いや、言えなかった。
その頃、男性陣は大広間で雑談をしていた。
「よう、アークよ。お前ククルのチョコちゃんと食えるのか?」
エルクの問いにアークは
「分からない」
「食わないと天の裁きかもだぜ?」
「だろうな」
アークは溜息をついた。
嬉しいはずではあるが、味が保障されてないので怖いらしい。
「そういえばグルガはどこ行った?」
「あぁ、あいつなら娘のとこに戻った」
「エレナから貰う気か」
「ところでよー、何で女っつーのは毎年この時期にチョコを男にやるんだ?」
トッシュの疑問に皆首を傾げる。
「要は好きだから送るのではないか?」
「安心しろよ。おっさんは誰からも貰えないだろうからよ」
「んだと、こら!」
「まぁ、トッシュ落ち着け。オレは生まれてから一度もチョコを貰った事がないぞ」
「私もだ」
「わしもじゃのぉ」
シュウに続きイーガ、ゴーゲンも続いた。
重い沈黙。
「あ、あれ?チョンガラは?」
話題を変えようとしたポコ。
「シルバーノアの整備だろ」
会話終了。
調理場ではやっとの事で溶かし終えたククルともう終わりそうな三人がいた。
「ちょっと量多かったかな」
量りで量ったら1800gもあった。
ククルはハート型を作るらしい。
ちなみに1個34gと考えて約52個出来る計算である。
「ねぇ、もしかしてたくさん作る気?」
「うーん、面倒よね。一つにしちゃおうかしら」
「が、頑張ってね」
少し呆れ気味なサニア。
「あ、でも冷蔵庫に入りませんよ?」
「じゃぁ、シャンテ頼める?」
「え?」
何だか嫌な予感がしてならないシャンテであった。
「追加特殊能力でブリザード取得したはずよね?」
「えぇ・・・」
「じゃ、頼むわね」
「・・・・しょうがないわね」
肩を落として言う。
「よーし、張り切ってこの大きな塊をハート型にするわよ!」
「ククルさん、ファイトです♪」
「アーク、ちゃんと食べてくれるかな?」
「大丈夫ですよ。ククルさんの愛情たっぷりなチョコですもん」
「そうよね♪」
嬉しそうにチョコの形を整えていく。
「これでアークが食べなかったら天の裁きぐらいじゃ済まさないかも」
3人が固まった。同時にアークも何かしらの気配を感じた。
「絶対に食べてくれますよ!」
「そうよ、もっと自信持ったら?」
「そうそう、フィアンセのチョコを食べない奴の方がどうにかしてるって!」
必死にフォローする3人。
「よーし、頑張ろ!」
こうして夜は更けていった。
バレンタイン当日。
昼は男性陣の半分が防具等の買出し、もう半分が資金稼ぎに出ていたため4人はチョコの最終調整をしていた。
リーザは数をチェックしていた。
シャンテはシュウに招待状を書いていた。どうやらインディゴスの酒場で渡すつもりだ。
サニアは一応トッシュに渡すらしいがどうやって渡すのか色々試行錯誤していた。
そしてククルのチョコはシャンテのブリザードの中に入っている。ちゃんとハート型に出来たのだろうか。
男性陣が帰ってきた。
シュウはシャンテの置手紙を見て顔を赤らめながらヒエンで東アルディアに向かった。
その後、シュウとシャンテが大人の世界に入った事は言うまでもない。
「はい、皆集まって」
リーザがモンスター達に召集をかける。
「はい、これ皆にね。いつも頑張ってるお礼よ」
モンスター達は各々に渡されたチョコを喜んで食べていた。
「私、ちょっと外出てくるからここにいるのよ」
モンスター達にそう言い残すとリーザは外に出て行った。
リーザは外に居たエルクを見つけて顔を赤らめながら話しかけた。
「あ、エルク。あのね、これ受け取ってくれる?」
「ん?あぁ・・・」
エルクもまた顔が真っ赤であった。
「いつものお礼も兼ねてるからね」
「あぁ・・」
エルクが一口食べようとしたらリーザが止めに入った。
「あ、待って・・・・」
「え・・・」
「はい、口開けて」
「バッ、そんな恥ずかしい事するなよ・・・」
心底嬉しいはずなのだがやはり恥ずかしい。
「イヤ・・・なの?」
目を潤ませながら訴える。
「うっ・・。イヤじゃねぇよ」
エルクはゆっくりと口を開け、チョコを食べた。
「おいしい?」
「・・・・あぁ、スゲー美味いぜ」
「良かった」
嬉しそうなリーザを見てエルクは今まで以上に顔を真っ赤にした。
「あのね、エルク・・・私ねエルクの事がね・・・・」
その時、エルクがリーザの腕を引っ張った。
「・・・・・・・・んっ!」
エルクは自分の唇をリーザの唇に重ねた。
その後は何も無かった様に二人で仲良く話しをしていた。
一方サニアはトッシュを探しているところであった。
「トッシュならシルバーノアにいるぞい」
ゴーゲンがさり気無く言う。
「そう・・・ありがと」
サニアはお礼を言いつつシルバーノアに向かった。
トッシュはシルバーノアの自室で酒を飲んでいた。
すると部屋のドアをノックされた。
「誰でぃ」
「サニアよ、入ってもいい?」
少し緊張していたサニアは声が震えていた。
「あぁ、構わねぇよ」
トッシュはサニアの顔を一瞬だけ見た。
「何の用でぃ?酒に付き合ってくれるのかい?」
「そ、そんな事につ、付き合うわけないでしょ!」
サニア自身いつもとは全然違うと分かっていても声の震えが止まらなかった。
「その手元にあるのは何でぃ?」
「あ、えと・・・」
「ほらほら、どうしたよ?」
からかうトッシュ。
「ほら、あんたにあげるわよ!!」
チョコが入った箱を勢い良く差し出す。
「何でぃ、こりゃ。チョコか?」
「そうよ!とっとと開けなさい!」
「へいへい」
開けてみると星の形やハート型のチョコが入っていた。
「へぇ、豪華じゃねぇかよ。金箔まで付けててよ」
「早く食べなさいよ!」
「うわ、こりゃ甘すぎねぇか」
「うっさいわね!文句言うなら食べないでよ!」
「バーカ、せっかくお前から貰ったんだ。無駄に出来っかよ」
「え・・・・・」
意味有り気な発言にサニアは顔を赤らめる。
「結構酒が効いててうめぇな」
あっという間にチョコを全部平らげた。
「美味かったぜ!あんがとな」
「そ、そう、それは良かったわ!」
「んで、お前はこれからどうすんでぃ?用事は済んだろ?」
「そうね、考えても無かったわ」
「だったらよ、酒に付き合え」
「・・・ま、しょうがないわね」
どことなく嬉しそうなサニアであった。
そしてククルは氷を叩き割り中からチョコを取り出し、簡単に飾りつけをした。
一方、ククルの自室で待つ勇者もといアークは半分期待しながら半分不安を感じていた。
トントン・・・
ドアをノックされククルが入ってきた。
「アークお待たせ」
「うん」
「今日はバレンタインだから、アークにチョコあげるね」
「うん、もしかしてククルの後ろにある、それかい?」
さすがに少し大きめのサイズなので見えていたらしい。
「あ、うん。つい作りすぎちゃって・・・」
「はは・・・ククルらしいな」
「はい、アーク」
照れながら渡すククルにアークは心臓を昂らせた。
「食べてもいい?」
「あ、食べさせてあげるね」
エルクとリーザみたいな展開だ。
口を軽く開けているアークにチョコを食べさせるククル。
「おいしい?」
「うん、甘くておいしいよ」
ここで味に対する不安は無くなった。
そしていつの間にかアークとククルはあんなにあったチョコを平らげてしまった。
「チョコ無くなっちゃったね」
「うん。でもアーク、いつもは甘い物食べないのに今日は何で?」
「ククルの愛情たっぷりなチョコを食べないわけにはいかないだろ?」
アークはさらりと言った割には顔が赤い。
「ねぇ、アーク。ホワイトデーちゃんとくれるの?」
「あ、えーと・・・・」
言葉に詰まるアーク。
ククルは更に追い討ちをかける。
「ちょっと、どうなのアーク。ちゃんとくれるんでしょうね?」
「あ、だったら・・・」
何かを思いついたアーク。大体想像は付く。
アークはククルを抱き抱え、ベッドに運ぶ。
「ちょ、アーク、何?」
少し困惑気味なククル。
「今、お礼するよ♪」
にっこりするアーク。
「ちょ、アーク・・・今って・・・・・・んっ」
アークはほとんど間髪入れずにククルの口を自分の口で塞ぐ。
長いキス。
「苦しかった?」
「全然・・・・・」
「それじゃ、もう一回♪」
再度キスをする。
また長いキス。
ククルは全てアークに身を任せていた。
暫くしてキスが止まった。
「アーク・・・・・・・好き」
「・・・・・・俺もだよククル」
この後二人だけのイチャイチャラヴラヴモードに入った事は間違いない。
ちなみに情報提供者からの情報によると、その日から翌日までエルク&リーザを除く3組の周りの平均温度が5℃ぐらい上がったらしい。
情報提供者
シュウ&シャンテ組:アパートの大家さん
トッシュ&サニア組:某壺使いさん
アーク&ククル組:某僧侶さん
そしてチョコを貰えなかった人達は何をしていたのか。
イーガ:修行のため滝で精神統一
ゴーゲン:神殿屋上でちょこと遊んでいた
ポコ:ムード作りで演奏をしていた
チョンガラ:モンスター達と飲み会
チョピン:チョンガラの見張り
ヂーク:ユニット整備のためヤゴス島へ
以上である。
アトガキ
初めて小説を投稿します。文章変ですが、流してやって下さい(汗)
キャラクターの性格などはゲームとあるHPのキャラの性格を使っています。
余談いらなかった気がしてます。この辺も流して下さい。
微妙な小説で申し訳ないです(汗)こんなので本当にすみません。
作者: 四谷草太
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